Vol.28(2006.12. 22.)
【師走・冬至】 「言霊」
 
 
過日JUVYキッズスポーツスクールの行事で唐澤山をハイキングしていると、一緒に歩いていたマネジャーの川田氏が、
 「高名な作家や学者と言われる方々の多くが、最後に行き着くところは『宗教』や『神』の領域のような気がしますが、どう思われますか」と質問を投げかけてきた。
 確かにそのとおりである。
 先般の講演でも、作家の五木寛之もそのようなことを言っていた。数学者の岡潔もその著書の中では「仏教の世界」からの引用が多く、国文学者の折口信夫も「霊魂」について述べているようである。
 総じて、私は「眼に見えぬモノ」で片づけてしまうようで説明にならないが、彼らは結構わかりやすく説いている。
 彼らは、「眼に見えぬモノの多くは、結構身近な存在である」としている。身近と言われても「どこにあるのですか」「ほら、ここにあるのが見えませんか」といった類のものではない。しかし、このような抽象的な会話であっても、私はホッとしてしまう。

 前回のテーマ「修行」では、司馬遼太郎の「街道をゆく18『越前の諸道』」を紹介した。読まれた方はおわかりと思うが、この中で司馬は結構気兼ねなく「神」「仏」について記している。今まで司馬作品を読んでいて気付かなかったが、歴史という具体的な事実の中に極めて抽象的な物言いで「眼に見えぬモノ」を登場させているようである。
 しかし、そのことにあまり違和感を覚えないのは、私自身が歴史の真実を知らないからであろう。
 司馬は現在の科学では証明できないと言われる奇跡的なことも、人間にとっての奇跡は神にとってはあたりまえのことであると言うことを伝えたかったのかもしれない。別のいい方をすれば、彼には一般的には「眼に見えない」とされるモノが見えていたのではないか。それもくっきりと。これは、私の勝手な想像であるが…。
 そんなことを考えていると、「神とは偶像ではない、空気のように我々の周りに存在するモノで、宇宙森羅万象のバランスを取るモノなのかな」と思えてきた。
 
 さて今回のテーマの「言霊」である。
 広辞苑によれば、言葉に宿っている不思議な霊威。古代、その力が働いて言葉通りの事象がもたらされると信じられた、とある。
 折口は「『霊』(たま)」について、人間の力を越えた力、眼に見えないものの力、と解釈していたらしい。
 それならば、言葉をもって「眼に見えないものの力」を精神に影響を与えることを、言霊といって良いのではないか。
 読者の皆様も思い出していただきたい。
 長老があなたに土地に残された言い伝えなどを聞かせ、あなたも引きずり込まれるように聞いていた中で登場した「ことば」はなかったか。
 そこには、しばしば「神」や「仏」が登場し、我々に知らず知らずのうちに生き方の方向性を示唆していたのではなかったか。
 
 50も半ばをこえた今年も、多くの方々を通し、神のお言葉をいただいた。
 昔は気付かない内容も、いつの間にか何かを感じるようになっているようである。
 2006年の最後に素晴らしい言霊を紹介し、私の感性の一端を伝えたい。
 
 ※個人情報の問題もあり、誰が話した言葉かの公表は差し控えさせていただきます。
  また、あくまでも私の感性として取り上げた言葉であることをご理解ください。

 

 指導者は空気が形に変わるほどの影響力を持たねばならない

 人は好意を持って接する人を探す

 付き合いは自分の中の大人がやり、夢は自分の中の少年が行う

 多岐にわたる人間の精神構造を建前だけで統一することは不可能である

 応援する人間は応援される人間より強くなければならない

 指導することに見返りを求めるな

 トレーナーが増えるに比例し選手の自己蘇生力が弱くなってきている

 生きるとは魂を磨くことであり、魂を磨くこととは人を助けることである

 能力を誉めるより努力を誉めよ

 元気が出る人間と付き合い、元気の出る会話をすることを心がけよ

 試合は誰かに捧げるつもりでやれ

 会っただけで何を考え、何を伝えたいのかわかるのが本当の仲間である

 歴史に埋もれた人間が歴史を作ってきた

 外はスローに見えても、内はうねりをもって回転しているような人間になれ

 有頂天になるとは自ら限界を決めることである

 物質に限らず体内に入ったままのモノは外に出さなければ腐敗してくる

 神が仕事をさせるのであるから、神が仕事をさせたがる人間になれ

 合宿はイベントではないということを心せよ

 自分の身体と自分の心が対話しながら生きる術を身につけよ

 情報とは心を伝えることである

 
 
正式にJUVYとなって1年目が終わろうとしています。
 今年のJUVYを振り返り、来年は今年よりも半歩進んだJUVYを目指します。
 皆様良いお年をお迎えください。

  
Vol.1 JUVY 創 設
Vol.2 理想の指導者とは
Vol.3 素晴らしき指導者
Vol.4 回顧・2005年
Vol.5 新春は箱根と共に
Vol.6 凛として颯爽と
Vol.7 眼のつけどころ
Vol.8 視点・感点
Vol.9 思い出に残る一言
Vol.10 新たなる旅立
Vol.11 JUVY誕生
Vol.12 春のスポーツシーズン到来
Vol.13 指導者としての実践力とは
Vol.14 ジュニアとシニア・その1
Vol.15 ジュニアとシニア・その2
Vol.16 わたしなりに言いたいことを…
Vol.17 「眼に見えない力」
Vol.18 「朱夏の熱き闘い・インターハイ その1」
Vol.19 「朱夏の熱き闘い・インターハイ その2」
Vol.20 「トーナメント・有限と無限の交差点」
Vol.21 「定石とひらめき」
Vol.22「合同練習会」
Vol.23「国民体育大会」
Vol.24「心・技・体」
Vol.25「再興」
Vol.26「神在り月」
Vol.27「修行」
Vol.28「言霊」

Circle-JUVY General Manager OKUZAWA Yasuo

 
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