Vol.22(2006.9.23)
【長月・秋分】 「合同練習会」
体の選手も発表され、結団式も終了しました。

おかげさまで、JUVY TRACK TEAM からも以下の選手が栃木の代表として国体に出場することになりました。

これまでの皆様の応援に感謝申し上げますとともに、今後も引き続きのご支援をお願いいたします。


成年男子 100m
棒高跳
やり投
斎藤仁志(筑波大学1年)
丸山怜史(法政大学1年)
安田 淳(田沼小学校教員・27歳)
少年男子 100m
110mH
三段跳
やり投
成瀬康智(佐野高校3年・葛生中出身)
稲葉直紀(佐野高校3年・赤見中出身)
米澤京佑(佐野高校3年・栃木西中出身)
上岡拓也(佐野高校3年・佐野北中出身)
成年女子 やり投 海老原有希(国士舘大学3年)*特別会員
少年女子 400m
走幅跳
福田亜鐘(真岡女子高3年・真岡中出身)
平井優季(栃木女子高1年・佐野北中出身)

その他、渡辺方夫会員の指導する選手3名(JUVY準会員)の計13名が出場します。栃木県陸上競技選手団33名のおよそ1/3がJUVY関係者ということで、喜びにたえません。

また、渡辺、須藤宏会員が帯同コーチとして栃木陸上競技協会から派遣されます。 選手、コーチの悔いの残らぬ1週間を期待します。  


代表選手による合宿は随分昔から開催されてきたようです。私が参加させていただいた合宿にはオリンピック代表合宿、世界ジュニア代表合宿、国体代表合宿、などの他、日本ジュニア、東北北海道ジュニア、山形県短距離選抜、県内高校合同合宿等の合宿がありました。
 
このことからわかるように、合宿には学校やクラブチーム単独の合宿の他、所属が異なる選手が集まって開催される合同合宿があります。9月は毎週のように栃木県の国体代表選手の合同合宿(練習会)が開催されてきました。

今回は、過去の体験を基に合同合宿(練習会)を利用して競技力を向上させるために、「何を考え、何をすべきか」について話をすすめてまいりたいと思います。

1 合同合宿(練習会)の役割とは?

@ 競技者としての生活習慣の理解と模擬実践

健康的な生活を送ることは健康の保持増進を図るうえで基礎となるものです。しかし近年、健康的な生活習慣が(競技者であっても)確立されていないという実態が見られます。
合宿や練習会では健康的な生活習慣を確立するための科学的理解と実践力を身につけるチャンスです。

A 競技者としての競技力開発や競技力発揮のための基礎的知識や方法論の獲得

競技者にとって競技力を開発することと、競技力を発揮することは車の両輪です。開発は充電、発揮は放電と考えられます。

無限にあると思われる競技力開発の方法が一所属だけの練習では有限となる心配があります。また、せっかく開発された競技力も発揮の仕方がわからなければ何の役にも立ちません。

所属外の指導者や選手と会話を交わし、互いに練習方法などを伝授しあうことで、切磋琢磨という言葉を実感として受け止めることができるでしょう。

B 競技者として高いレベルの精神構造の確立

レベルの高い競技者は高いレベルの精神構造を持っています。いわゆる脳パワー、脳力です。脳パワーという眼に見えない力を高めることこそ、ここぞという時の自己表現の裏付けになります。

高いレベルの精神構造を持つ競技者との付き合いは、自然と精神構造が高まることを多くの競技者が体験しています。

C フレンドリーシップ、スポーツマンシップ、ノーサイド精神などの獲得

試合で勝ち負けの決着がついても、人生は続きます。スポーツの世界での勝ち負けは人生の中では一瞬です。スポーツの闘いは終わったら、爽やかな心境を保ちたいものです。

合同合宿(練習会)は互いに仲間として正しい方向に向かうことの素晴らしさを感じ取るまたとない機会です。凛として颯爽とした競技者を目指してください。

昨日の敵は今日の友です。箱根駅伝のコマーシャルに「スポーツマンシップに乾杯」とありますが、本当の意味は「スポーツを通した人生に乾杯」なのではないでしょうか。

2 合同合宿(練習会)の開催で期待できること 
※上記と重複する部分もありますが…。

@ 組織間の連携

同じ釜の飯を食うわけですから、選手だけでなく指導者間のコミュニケーションも進みます。「また合同練習をしましょうか」、ということになるわけです。

A 選手の潜在能力の開発

いつも同じ指導者が見ていると、選手の隠れた才能を見逃していることも少なくありません。子どもたちの才能は無限にあります。練習場面にとらわれず、全人格全身体能力の中から素晴らしい部分を発見し、正しく伸ばしてやりたいものです。

B 指導者の顕在能力の発揮

多くの指導者はその能力を余らせていると感じています。誠にもったいないことだ、と思うのは私だけでしょうか。遠慮なくアドバイスできる雰囲気を作った上で効果的な助言を与え、選手の役に立つことは素晴らしいことです。

3 合同練習会(合宿)から発展すること

@ 組織の強化【学んだ内容を組織内で実践】

今まで思ってもみなかった発想からの練習や競技に対する考え方など、良いと思ったことはいち早く自分達のものにして、良い意味で利用していくことが、個の力だけでなく組織の力を伸ばします。

A 家族の協力【学んだ内容を家庭内で実践】

スポーツに限らず、現代の教育は学校だけの指導では限界があります。特に人間が健康的な生活を送るための基本となる健康的な生活習慣の確立は家庭の協力なくしては考えられません。家族への情報提供を忘れないようにすることで、家庭の力を伸ばします。

B 地域内の共同【同じ生活圏内での学校間での実践】

市町村合併が行われています。私は田沼町の生まれですが、学生時代から「お国はどちらですか?」と聞かれるたびに「栃木の佐野です。」と答えていました。同じ生活圏というものがあります。現佐野市でも生活圏は足利などと答える人がいないわけではありませんが、せめて同じ生活圏内の学校は互いに交流し、合同合宿(練習会)における内容を伝達し、地域の力を伸ばしましょう。


以上理想的な合同練習会(合宿)について述べてきました。
しかし、絵に描いた餅にならないためにも、合同合宿(練習会)開催のための話し合いの場を持つことが是非とも必要です。

このような会議がおろそかになる傾向がみられることは残念です。
例え小さな合宿であろうと、一日だけの練習会であろうと、合同合宿や合同練習会開催前には、以下の点について十分に話し合い万全な準備のうえ進めてください。

@ 目標(全体としての目標と個々の選手の具体的目標など)

A 計画(期日、会場、参加者の掌握、参加者への早期の連絡、役割、資料の作成など)

B 指導者等の構成(合同練習会の臨時組織)参加希望者の掌握
(例)栃木代表合同練習会では以下の参加者が必要不可欠と考えられます。

○栃木陸協、高体連等のGM的役割を担うマネジャー
◇上記の方々の私的諮問者もしくは私的諮問機関の代表
○予算を掌握する担当組織の財務関係者
●栃木陸協、高体連等のプリフェクチャルコーチ
◇上記の方々の指導助言コーチ
◎ホームコーチ(パーソナルコーチ)
◇参加選手の保護者や中学・高校時代の指導者
◎競技者(国体出場選手)
◇特別参加選手(トレーニングパートナー)
※ 参加者の構成中、練習の主体をなす者は◎でありますが、●の方々のサポートも大切です。(◎のコーチと●のコーチは重なることもあります。)
○の方は必ずしも全日程参加はしなくてもかまいませんが、総括的意味合いで軌道の修正を図る顧問的役割として参加していただくことが必要です。

また、合同練習会の終了後には必ず会議を開催し、将来につなげなければなりません。

@事後活動の確認

1) 参加できなかった競技者への伝達の依頼
2) 所属先での継続的実践の依頼
3) 家庭での協力の依頼 

A評価表の提出

(例)評価表を報告書に替える方式(評価内容及び評価の観点)
1) 計 画 ・計画は適切かであったか
・日程や時間配分は適切かであったか

2) 構 成 ・競技者の参加状況はどうであったか
・指導者の参加状況はどうであったか
・種目ごとのコーチングスタッフのバランスはとれていたか

3) 運 営 ・参加者のニーズに応えることはできたか
・参加者個々の目標の掌握をした上での運営はなされたか
・資料(ミーティング資料や用器具等の準備)は適切であったか
・会場は適切であったか
・宿舎の状況はどうであったか(不備はなかったか)

4) 練 習 ・練習内容及びミーティング内容は効果的であったか
・練習の質及び量は適当であったか

5) 成 果 ・望ましい成果は見られたか
・新しい発見はできたか
・間違いに気づいたか 
・変化したことにはどのようなものがあったか
・目標の再設定は必要か、必要なら具体敵に設定できるか
・今後練習を実践するにあたり具体的内容の掌握はできたか

6) その他 ・何かひらめきは浮かんだか、など


ところで、合同合宿(練習会)を継続的に開催するためには以下の条件を避けて通るわけにはいきません。関係者が最も頭を悩ますところです。しかし、消化合宿(練習会)にならないためにも、関係者は是非ともクリアーしていただきたいと思います。

@望ましい環境の開拓と整備

A資質高い指導者の発掘と育成

B参加者の経済的保証

国体に出場する選手の活躍のため上記三条件をクリアーし、合同練習会を開催していただいた関係者にあらためてJUVY GM兼HCとして感謝申し上げます。

少なくとも、JUVYの会員は櫻井剛彦先生のご協力をはじめ、多くの方々のご支援を受け、効果的な合宿が行われたと自負しています。

 
今回のテーマの結びです。

合宿(練習会)に参加された競技者は自問自答してください。

「合宿生活及び練習は楽しく、かつ、実戦、ひいては人生に役立つものでしたか?」

このことに関する選手の回答は、合宿(練習会)の充足度を測る上で選手自身が毎回確認しなければならないことですが、回答によっては指導者にとって誠に厳しいものともなります。

指導者は「指導者自身の人間としての総合力を高める努力」と「指導者の持つ総合力を、指導というエネルギーに変え一点に集中させる情熱」が必要です。

合同練習会のスタッフはスポーツが好きで、スポーツを媒体として人生を楽しんでいることと思います。しかし、指導者の楽しみの中に、子どもたちに夢を贈ることが入っていなければ、効果的な指導は期待できないと考えるのは私だけでしょうか。

残念なことは、合宿(練習会)を「無駄な時間」とか「無意味な事業」などと考えている指導者がいることです。私からの願いですが、そのような言葉を発する指導者は合宿(練習会)に参加しないでください。

以下、反省をこめて…。私の合同合宿(練習会)での心構えです。

・守れないことを多く取り入れようとしていないか?

・練習はコンパクトなものほど、選手にとってのインパクトは強くなる。
 
・選手は疲れていないか?

・身体の要求に応じた練習をするためにも、スケジュールは幅をもたせたい。

・椅子に深々と腰をかけ、脚を組んで子どもたちと深い会話はできない。

・子どもたちと活動をしているときは、私も子どもたちと同じ夢を追いかけたい!
 
次回は【神無月・寒露】 テーマは「国民体育大会」です。


Vol.1 JUVY 創 設
Vol.2 理想の指導者とは
Vol.3 素晴らしき指導者
Vol.4 回顧・2005年
Vol.5 新春は箱根と共に
Vol.6 凛として颯爽と
Vol.7 眼のつけどころ
Vol.8 視点・感点
Vol.9 思い出に残る一言
Vol.10 新たなる旅立
Vol.11 JUVY誕生
Vol.12 春のスポーツシーズン到来
Vol.13 指導者としての実践力とは
Vol.14 ジュニアとシニア・その1
Vol.15 ジュニアとシニア・その2
Vol.16 わたしなりに言いたいことを…
Vol.17 「眼に見えない力」
Vol.18 「朱夏の熱き闘い・インターハイ その1」
Vol.19 「朱夏の熱き闘い・インターハイ その2」
Vol.20 「トーナメント・有限と無限の交差点」
Vol.21 「定石とひらめき」
Vol.22「合同練習会」
Vol.23「国民体育大会」

Circle-JUVY General Manager OKUZAWA Yasuo

 
Copyright(C) 2006 SANO SAC Circle-JUVY8 All Rights Reserved.